ASIA

 大地に刻まれた多様性のレイヤー

アジアの大地は、火山、川、砂漠、湿原といった多様な地形が折り重なるように広がり、それぞれに異なる鉱物環境を育んできました。たとえば、日本列島では火山活動によって生まれた黒曜石(火山ガラス)や多孔質の軽石が見られ、中国の黄土高原では鉄やアルミニウムを含む風化鉱物が地表に顔を出します。インドネシアやフィリピンの熱帯地域では、川の流れによって磨かれた安山岩や、玄武岩質の石がジャングルの奥に眠っています。

こうした岩石には、石英や長石、輝石などの鉱物が含まれ、場所によって組成や色合いもさまざま。アジアの石たちは、気候と地形、そして地球内部の化学変化が生み出した「土地のかけら」として、ありのままの姿でそこにあります。